鋸南町雇用創造協議会 こよう!鋸南

UIJターンの実際

注目企業インタビュー

若手の移住就労者を募集、漁港のさらなる発展へ

「食事処ばんや」を柱に地元の漁業を守る

山口 英了さん(45歳)

鋸南町保田漁業協同組合 事務局長

大手印刷会社・団体職員

鋸南町には、保田と勝山の2つの漁港があります。保田漁港の柱は、鋸南町保田漁業協同組合が直営する「食事処ばんや」です。定置網漁で獲った新鮮な魚を使った料理は、観光客に人気があります。年間40万人以上の人が訪れています。

東京好みの味付けに料理を変えたこともありましたが、売上が低迷。地元の味に戻して、新鮮な食材を地元の飾らない盛り付けで出すことにより、売上の回復を果たしました。直営店を支えるUターンやIターンによる若手就労者を求めています。漁師として、これから漁港を担う人材にも期待しています。

漁業協同組合の山口さんは「協調性のある人材を探しています。それから、やる気が大切」と快活に笑いました。

保田漁港の柱「食事処ばんや」

鋸南町の漁業は定置網漁が中心です。定置網では、あじ、いわし、鯖、イナダなどが獲れます。その他の魚介類としては、冬場は、ひらめ、ホウボウ、夏場は伊勢海老、サザエなど。潜って獲る海産物としては、あわびがあります。年間の水揚げ金額はおよそ3億円になります。

鋸南町保田漁業協同組合の正組合員は44名。正組合員は、鋸南町の在住者であり、本業として年間120日以上漁業に従事し、議決による承認が必要です。しかし、現在は資格審査をクリアしていれば準備期間として組合員になれます。短期間だけ漁業に従事する場合は准組合員となり、146名います。その他、役員10名、職員6名で構成されています(平成26年度末現在)。

漁師が獲った新鮮な魚介類は、漁業協同組合の直営による食堂「食事処ばんや」で観光客のみなさんに提供しています。

食事処ばんやは、平成7(1995)年にオープン。日本で最初に成功した「魚食普及食堂」です。中古コンテナ2棟でスタートし、その後、第1~第3までの施設に拡大してきました。

この食堂が、漁業協同組合の事業収入で70%を占める「保田漁港の柱」。守っていかなければなりません。漁港の中に、漁師たちが獲った新鮮な魚を提供する食堂があることは、大きなメリットですから。

食事処ばんやでは、大学生や高校生のアルバイトを含めると100名ほどが働いています。常時40~60名で運営、繁忙期にはアルバイトを増員します。正社員は30名で、パート社員はモチベーションを上げるために正社員化しました。平均年齢は40代。シニアの方も働いていますが、若い力を必要としています。

漁業協同組合では、食事処ばんやに加えて、宿泊施設と高濃度炭酸泉「ばんやの湯」を運営する子会社を設立。保田漁港からは遊覧船も運航し、漁業はもちろん観光客向けの事業にも力を注いでいます。

地元の味、飾らない盛り付けにもこだわり

食事処ばんやのおすすめは、漁師三点盛や海鮮丼など。伊勢海老は、刺身、天ぷら、味噌汁など、さまざまな方法で料理をしています。

東日本大震災前には、最大でおよそ58万人が訪れ、8億円以上を売り上げた時期がありました。しかし、震災によって観光客が減少し、その対策として一時、東京好みの味付けに変えました。

ところが、このリニューアルは、あまり喜ばれませんでした。観光で訪れたみなさんは、食材を丸ごと使った、地元でしか食べられない田舎の味や盛り付けを食べたかったんです。東京でも食べられるような味付けは、人気がありませんでした。

そこで、地元の味と、ざっくりした盛り付けに戻したところ、売上が回復。味はもちろん、見た目の盛り付けも大切です。漁師料理を大衆食堂の雰囲気で、どん!と出すのが「ばんや流」。食材で勝負です。サービスの品質改善にもこだわりました。

現在は年間約44万人が訪れています。通年では夏が繁忙期で、冬の10~12月とゴールデンウィーク後の6月は閑散期になっています。

今後は「ばんやブランド」による、干物などのネット販売も考えられます。実現するためには、オペレーターを志望するような人材が必要になるかもしれません。

「協調性」と「やる気」のある人材を求む

保田漁港を維持し、さらに発展させるため、UターンやIターンで鋸南町に移住する人材を積極的に採用していきたいと考えています。鋸南町で最も大きな雇用創出を行っているので、地元活性化に貢献したいですね。

食事処ばんやで求める人材の資質は「協調性」と「やる気」。仕事に熱意を持って取り組む人です。就業規則でパート社員から正社員の登用も定めています。やる気さえあれば、ステップアップが可能です。

漁師をやりたい若手の移住者にも期待しています。以前には移住して始めた定置網の漁師がいましたが、現在はひとりもいません。

ただ、釣りや魚が好きだといっても、60代後半で、定置網の経験がないような人は難しい仕事かもしれません。船の上では包丁を持って仕事をしています。ロープが絡まったら切らなきゃならないので。網も機械で巻くため、慣れていないと危ない。各地で定置網を経験していた人は有望ですが、年齢は50歳ぐらいが上限でしょうか。

定置網の漁師の一日は、早朝5時に出港して、2時間ほど漁をします。その後、漁港に戻って捕獲した魚を選別して朝食。午前中は網の修理などをして、あとは休み。年間300日ほど働きます。報酬は月25万円ほどからで、船頭クラスになると倍です。水揚げに応じて年度末に清算する、いわばボーナスもあります。

鋸南町は海と山の自然に恵まれています。道の駅 保田小学校から山の幸、保田漁港から海の幸を調達して、バーベキューも楽しめそうです。漁業と農業の2つの産業が共存するこの町で、漁業を支えてくれる移住者の力が必要です。

山口 英了(やまぐち ひであき)
昭和45(1970)年11月生まれ。

南房総市千倉町出身。妻とふたりの子供、両親と暮らす。東京で凸版印刷株式会社に7年勤務、農業協同組合に8年。その後、社会福祉法人柚子の会が展開するグループホームリブ丸山で働いていた時、知人から鋸南町保田漁業協同組合に誘われて、現在に至る。

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